シーズンオフのタイヤ、ガレージやベランダの隅で積み重ねていませんか?場所を取る上に、タイヤの変形や劣化の原因にもなり、見た目もよくありません。市販のタイヤラックを探してみても、「意外と値段が高い」「設置したい場所にサイズが合わない」と、購入をためらっている方も多いはずです。
その悩み、DIY(自作)で一気に解決しましょう!ホームセンターで手に入る安価な材料を使えば、市販品の半額以下のコストで、あなたの家のスペースにぴったりの「シンデレラフィット」なタイヤラックを作ることが可能です。
この記事では、DIY初心者の方でも挑戦できるよう、安価な材料の選び方から、具体的な組み立て手順、そして最も重要な強度を確保するポイント、節約のコツまで徹底的に解説します。
【節約のコツ①】安さが鍵!タイヤラック自作に必要な素材
自作ラックの最大の魅力は、材料を自分で選べることによるコストダウンです。安さと強度、加工のしやすさを天秤にかけ、最適な材料を選びましょう。
パターンA:木材(SPF材)※安さ最優先ならコレ!
ホームセンターで最も安価に手に入り、加工もしやすいDIYの定番木材です。
● 特徴:
○ 圧倒的に安価(市販品の1/3~半額程度も可能)。
○ ノコギリや電動ドライバーで簡単にカット・組み立てができる。
○ 設計の自由度が最も高い。
● 主な材料:
○ 2×4(ツーバイフォー)材: ラックの柱や土台(フレーム)となる主要な骨組み用。
○ 1×4(ワンバイフォー)材: タイヤを乗せる「すのこ」部分や、補強用の「筋交い」用。
○ ビス(木ネジ): 木材を固定するため。75mm程度あると頑丈に組めます。
パターンB:単管(たんかん)パイプ
工事現場の足場などで使われる、非常に頑丈な金属パイプです。
● 特徴:
○ 木材よりも耐久性・耐候性に優れ、屋外設置に最適。
○ 専用の「クランプ」という金具でパイプを挟んで固定するだけなので、組み立てが早い。
○ 木材よりはコストがかかりますが、市販の頑丈なラックよりは安く作れます。
● 主な材料:
○ 単管パイプ: ホームセンターで好みの長さにカットしてもらえます。
○ クランプ(直交・自在): パイプ同士を直角または自由な角度で固定する金具。
○ ベース金具: 床に接する脚の部分に取り付ける金具。
【結論】最も安く作りたいなら「木材(SPF材)」一択!
「とにかく安く仕上げたい」「DIYの経験があまりない」という方には、加工がしやすく材料費もダントツで安い**「木材(SPF材)」**での自作を強くおすすめします。この記事でも、木材を使った作り方をメインに解説します。
【実践】木材で安く作る!タイヤラック自作手順(2段4本収納タイプ)
ここでは、タイヤ4本を2段(上下2本ずつ)で収納できる、最もシンプルで安価な木製ラックの作り方をご紹介します。
STEP1:設計と採寸
DIYの成功は設計で決まります。まず、保管したいタイヤのサイズを正確に測りましょう。
- **タイヤの「直径」と「幅(太さ)」**をメジャーで測ります。
- ラックのサイズを決定:
○ 内寸(幅): タイヤの幅 × 2本 + 10cm(余裕)
○ 内寸(奥行き): タイヤの直径 + 5cm(余裕)
○ 高さ: 設置場所に合わせて決めますが、タイヤが2段入る高さが必要です。
- 木取り図(カットリスト)の作成:
設計図をもとに、必要な木材(2x4材、1x4材)が「何cm × 何本」必要なのかをすべて書き出します。
STEP2:材料のカット
木取り図ができたら、ホームセンターで木材を購入し、カットします。
● 【節約のコツ②】カットサービスをフル活用する!
ホームセンターの木材カットサービス(1カット数十円)を必ず利用しましょう。ノコギリや高価な電動丸ノコを買う必要がなくなり、工具代を大幅に節約できます。何より、プロが正確にカットしてくれるため、組み立て時のズレや失敗が激減します。
STEP3:土台フレームの組み立て
2x4材を使い、床に置く「ロ」の字型の土台フレームを組みます。この時、ゆがみが出ないよう「さしがね」を当てて、直角を確認しながらビスで固定します。
STEP4:柱の取り付け
土台フレームの四隅に、柱となる2x4材を垂直に立て、内側からビスで固定します。この柱がラック全体の高さを決めます。
STEP5:上段フレームの取り付け
柱の上部に、土台と同じ形の「ロ」の字型フレームをビスで固定します。これでラックの基本的な骨格が完成します。
STEP6:タイヤ受け(すのこ)の取り付け
タイヤを乗せる部分を作ります。
- 下段の土台フレームの上と、上段フレームの上に、1x4材を2本ずつ、タイヤの幅に合わせて平行に渡します。(タイヤが板と板の間に乗るイメージ)
- この1x4材をビスで固定します。床にタイヤが直置きにならず、通気性が確保された「すのこ状」のタイヤ受けが完成です。
【最重要】安くても妥協厳禁!自作タイヤラックの強度UP術
安く作っても、壊れてタイヤが落ちてきては意味がありません。以下のポイントは必ず守ってください。
ポイント1:必ず「筋交い(すじかい)」を入れる
これが強度確保の最大のキモです。
組み立てたラックを手で揺すると、前後左右にグラグラするはずです。この横揺れを防ぐため、ラックの背面や側面に、1x4材を**斜め(バツ印のように)**に取り付けます。これが「筋交い」です。これがあるかないかで、強度は天と地ほどの差が出ます。
ポイント2:ビスを打つ前に「下穴」を開ける
木材(特に端の方)にいきなり太いビスを打ち込むと、木が割れてしまい、強度が著しく低下します。ビスを打つ場所には、必ずビスの太さより一回り細いドリルで「下穴」を開ける習慣をつけましょう。
ポイント3:重いタイヤは「下段」に収納する
ホイール付きの重いタイヤを下段に、ホイールなしのタイヤを上段に置くなど、重心をできるだけ低く保つことで、ラック全体の安定性が増し、転倒リスクを減らせます。
タイヤラックを安く作ろう!さらなる節約のコツ
基本のテクニックに加えて、さらにコストを絞るためのコツをご紹介します。
● 設計は「シンプル イズ ベスト」に
凝ったデザインや複雑な構造は、それだけ多くの木材と金具が必要になり、コストが上がります。安さを追求するなら、今回ご紹介したようなシンプルな四角い構造が最強です。
● ビスは「徳用パック」で購入
ラック作りでは数十本のビスを使います。少数パックは割高なので、箱入りの徳用パックで購入する方が結果的に安くなります。
● 塗装は「必要な場所」だけ
ガレージや物置など、雨風が当たらない「屋内」で使う場合、木材の塗装(防腐・防カビ塗料)は必須ではありません。塗装代(数千円)を省略するのも大きな節約術です。ただし、ベランダなど「屋外」に設置する場合は、木材の腐食を防ぐために塗装は必須です。
DIYで叶える「安くてピッタリ」なタイヤ収納
市販品を買えば数千円から一万円以上するタイヤラックも、DIYならその半額以下で、しかも設置場所にぴったりのサイズで手に入れることが可能です。
安さの鍵は「SPF材の採用」と「シンプルな設計」、そして「カットサービスの利用」です。コストを抑えつつも、安全に使うための「筋交い」や「下穴」といった強度対策は絶対に妥協しないこと。ぜひこの記事を参考に、あなたの家のタイヤ収納問題を、賢く安く、そして楽しく解決してみてください。

























