キッチンボード(食器棚)は、食器、調理家電、食品ストックなど、キッチン周りのあらゆるモノが集まる、まさにキッチンの司令塔。しかし、それゆえに物で溢れかえり、「どこに何があるかわからない」「奥の食器が取り出せない」といった収納の悩みが尽きない場所でもあります。
この記事では、そんなキッチンボードの収納を劇的に改善するための基本的な考え方から、場所ごとの具体的な収納アイデア、そして100均や無印良品、ニトリなどで手に入る便利な収納グッズまで、徹底的に解説します。収納を見直すことで、家事動線がスムーズになり、毎日の料理がもっと楽しくなる。あなたの家のキッチンボードを、最高のパートナーに変身させてみませんか?
まずはここから!キッチンボード収納を成功させる3大原則
使いやすいキッチンボード収納を実現するには、ただやみくもに物を詰め込むのではなく、基本となる3つの原則を意識することが何よりも重要です。
原則1:物の住所を決める「ゾーニング」
キッチンボードを最大限に活用する第一歩は、各エリアの役割を決める「ゾーニング(ゾーン分け)」です。大まかに「上段」「中段」「下段」の3つに分け、それぞれの特性に合ったものを収納しましょう。
● 上段(吊り戸棚など): 手が届きにくいため、軽くて使用頻度の低いものを。ラップのストックや季節品の食器、お弁当箱などが最適です。
● 中段(オープンスペース): 最も目に入りやすく、手が届きやすいゴールデンゾーン。電子レンジやトースターなどの毎日使う家電と、一軍の食器やカップ類を配置します。
● 下段(引き出し・開き戸): 重いものやかさばるものの収納に。お皿や鍋、ペットボトル飲料、お米などの食品ストックが適しています。
原則2:無駄な動きをなくす「家事動線」
物の定位置は、それを使う場所の近くに設定するのが鉄則です。家事の動き(動線)を意識して配置することで、調理中の無駄な動きが驚くほど少なくなります。
例えば、「コーヒーを淹れる」という一連の動作を考えてみましょう。コーヒーメーカーのすぐ近くに、マグカップ、コーヒー豆、フィルター、シュガーなどをまとめて配置すれば、あちこち移動することなくスムーズに準備ができます。炊飯器の近くにお茶碗としゃもじを置くのも同様です。
原則3:美しさと使いやすさを生む「8割収納」
収納スペースを100%ぎゅうぎゅうに詰め込んでしまうと、見た目が窮屈なだけでなく、物の出し入れが非常にしにくくなります。美しい収納の秘訣は、空間に余白を持たせる「8割収納」を心がけることです。
2割の余白があることで、どこに何があるか一目でわかり、新しい食器などを迎えるスペースも確保できます。この「ゆとり」が、結果的に日々の使いやすさと散らかりにくいキッチンへと繋がります。
【場所別】もう迷わない!キッチンボード収納完全攻略アイデア
キッチンボードの各スペースが持つ特性を理解し、それに合った収納方法を実践することが、使いやすさへの近道です。
【上段・吊り戸棚】ボックス活用で「軽い・低頻度」のものを安全に
手が届きにくい上段の収納は、「安全に取り出せること」が最優先です。取っ手付きの収納ボックスを活用するのが鉄則と言えるでしょう。
お弁当箱や水筒、製菓道具、お客様用のカトラリーなど、アイテムごとに分類してボックスに収納します。中身がわかるようにラベルを貼っておけば、踏み台に乗って探す手間が省け、必要なボックスだけを安全に降ろすことができます。無印良品やニトリのファイルボックスや、100均の収納ケースが活躍します。
【中段・オープンスペース】「見せる」と「使う」を両立するキッチンの顔
毎日何度も使う中段のオープンスペースは、機能性とデザイン性を両立させたいキッチンの顔です。
電子レンジやトースター、炊飯器、電気ケトルといった家電を、コンセントの位置も考慮しながら配置します。その周りには、朝食で使うパン皿やシリアルボウル、マグカップなど、特によく使う一軍の食器を配置しましょう。木製のディッシュラックを使えばお皿を立てて収納でき、見た目もおしゃれ。カゴやトレーを使ってカトラリーや調味料をまとめると、生活感が出すぎず、統一感のある空間になります。
【下段・引き出し】「立てる収納」で食器とカトラリーを劇的に使いやすく
引き出し収納の最大のメリットは、上から全体を見渡せること。このメリットを最大限に活かすのが「立てる収納」です。
● 食器の収納: 引き出しを開けた瞬間に使いたいお皿がパッとわかるよう、ディッシュスタンドやファイルボックスを使って立てて収納しましょう。重ねる場合も、色や種類を揃え、3〜4枚程度に留めるのが美しく取り出しやすい枚数です。
● カトラリーの収納: ごちゃつきがちなカトラリーは、引き出しの幅に合わせて調整できる伸縮式のカトラリーケースが最適。箸、スプーン、フォークなどをきれいに分類できます。箸置きやピックなどの細かなアイテムは、小さな整理ボックスで仕切ると迷子になりません。
● 深めの引き出し: 鍋やフライパン、ボウルなどの調理器具や、2Lのペットボトル、醤油瓶といった背の高い食品ストックを、ファイルボックスで仕切って立てて収納するのに最適です。
【下段・開き戸】「コの字ラック」と「ファイルボックス」で空間を使い切る
奥行きと高さがある反面、奥のものがデッドスペースになりがちな開き戸収納。空間を「上下」と「前後」に分割して使い切るのが攻略の鍵です。
棚の中に「コの字ラック」を置けば、収納スペースが二段になり、収納力が格段にアップします。奥の物を取り出しやすくするには、ファイルボックスや取っ手付きのケースが有効。使用頻度の低い大皿やホットプレート、調味料のストックなどをケースにまとめて入れておけば、ケースごと手前に引き出して楽に取り出せます。
収納のプロも愛用!キッチンボード収納がはかどる神グッズ
理想の収納を実現するためには、便利なグッズの力を借りるのが近道です。ここでは、多くの家庭で活躍している定番&優秀アイテムをご紹介します。
1.【食器収納の必需品】ディッシュラック・ディッシュスタンド
お皿を立てて美しく収納するためのマストアイテム。引き出しの中はもちろん、棚の中に置いても活躍します。お皿同士がぶつからず、傷を防ぐ効果も。KEYUCA(ケユカ)のシンプルなものや、ニトリ、100円ショップでも様々なサイズや素材のものが見つかります。
2.【引き出し整理の決定版】伸縮式カトラリーケース・ポリプロピレン整理ボックス
引き出しのサイズに合わせて幅をぴったり調整できるカトラリーケースは、シンデレラフィットが叶う優れもの。無印良品の「ポリプロピレン整理ボックス」は、様々なサイズを組み合わせて自分だけの仕切りを作れると絶大な人気を誇ります。
3.【縦空間の魔術師】コの字ラック・吊り下げラック
棚の中の「上の空間」というデッドスペースを、新たな収納スペースに変えてくれる魔法のアイテム。コの字ラックを置けば食器の収納力が倍増し、棚板に引っ掛けるだけの吊り下げラックは、ラップやアルミホイル、布巾などの定位置として最適です。
4.【万能すぎる仕切り役】ファイルボックス・収納ボックス
もはやキッチン収納の枠を超えて活躍する万能アイテム。食器や鍋蓋を立てるのはもちろん、開き戸収納の奥行きを活用したり、吊り戸棚の中を分類したりと、あらゆる場所で整理整頓をサポートしてくれます。色やデザインを揃えれば、キッチン全体に統一感が生まれます。
整うキッチンボードで、毎日の暮らしにゆとりと彩りを
今回は、キッチンボードの収納について、基本原則から場所別の具体的なアイデア、そして役立つ便利グッズまでご紹介しました。キッチンボードの収納が整うと、キッチン全体がすっきりと片付くだけでなく、家事動線が改善され、毎日の料理や後片付けの時間がぐっと快適になります。
まずは「ゴールデンゾーンによく使うものを置く」「引き出しの中のお皿を立ててみる」など、できそうなことから一つでも始めてみてください。使いやすく美しいキッチンボードは、日々の暮らしに確かなゆとりと彩りをもたらしてくれるはずです。
























