子どもが夢中になるおままごとキッチン。市販品も素敵ですが、「値段が張る」「部屋のスペースに合うか心配」「すぐに飽きてしまったら…」といった理由で購入をためらう方も多いのではないでしょうか。そこでおすすめしたいのが、「牛乳パック」を使った手作りおままごとキッチンです。実は、身近なリサイクル素材である牛乳パックで、驚くほど本格的でおしゃれなキッチンが作れるのです。この記事では、牛乳パックでキッチンを手作りするメリットから、初心者でも失敗しない具体的な作り方の手順、そして強度を高めて長く使うためのポイントまで、写真付きで解説するように丁寧にご紹介します。
なぜ人気?牛乳パックでおままごとキッチンを手作りする3つのメリット
牛乳パックを使ったDIYが、多くのお父さんお母さんに選ばれるのには明確な理由があります。それは、コストやデザイン、そして子どもとの時間といった面で、市販品にはない大きな魅力があるからです。
1. 驚くほど低コスト!家計に優しく気軽に挑戦できる
牛乳パックを活用する最大のメリットは、なんといっても材料費を劇的に抑えられることです。
キッチンの骨格となるのは、飲み終わった牛乳パック。あとは補強や装飾に使うダンボールやテープ、100円ショップで手に入るリメイクシートやフェルトがあれば、基本的な形は完成します。市販品が数千円から数万円するのに比べ、数百円から千円程度の予算で挑戦できる手軽さは、非常に大きな魅力です。「失敗したらどうしよう」というプレッシャーなく、親子で工作を楽しむ感覚で始められます。
2. 世界に一つだけ!子どもの理想と家にぴったりのデザイン
サイズやデザインを、子どもの好みや家のスペースに合わせて自由に設計できるのが手作りの醍醐味です。
「リビングのあの隙間にぴったり収めたい」「子どもの身長に合わせた高さにしたい」といった、市販品では叶えにくい願いも自由自在。表面に貼るリメイクシートや布の色柄を変えれば、ナチュラルテイスト、北欧風、カラフルでポップなデザインなど、ご自宅のインテリアや子どもの好きな世界観を反映した、世界に一つだけのオリジナルキッチンが作れます。
3. 作る過程も最高の思い出に!親子の共同作業が知育にも
おままごとキッチンを手作りする時間は、子どもにとって最高の知育活動であり、親子の絆を深める貴重なコミュニケーションの機会となります。
子どもに牛乳パックの中に新聞紙を詰めてもらったり、好きな色のシールを貼って飾り付けをしてもらったり。少しでも製作に関わることで、子どもは「自分で作った」という達成感と自信を得ることができます。親子で一つの目標に向かって協力した経験と、完成したキッチンへの深い愛着は、お金では買えない何よりの宝物になるでしょう。

初心者でも簡単!牛乳パックおままごとキッチンの作り方【5ステップ】
それでは、具体的な作り方を5つのステップに分けて解説します。特別な道具は必要ありません。一つひとつの工程を丁寧に進めれば、誰でも素敵なキッチンが作れます。
STEP1:どんなキッチンにする?設計と材料の準備
まずは、どんなキッチンを作りたいか、簡単なイラストで良いので設計図を描いてみましょう。完成形をイメージすることで、必要な牛乳パックの数や材料が明確になります。
【基本の材料リスト】
● 牛乳パック(1L): 30本~50本程度(作りたいサイズによる)。よく洗って完全に乾かしておく。
● 新聞紙 or 開いた牛乳パック: 牛乳パックに詰める補強材。
● ダンボール: 天板や背板、扉などの補強用。
● ガムテープ(布製がおすすめ): 牛乳パックの連結・固定用。
● 両面テープ
● カッター、ハサミ、定規、油性ペン
【シンク・コンロ・装飾の材料例(100円ショップで揃います)】
● シンク: ステンレス製やプラスチック製のボウル
● 蛇口: 食器用洗剤などのポンプボトル、ハンドソープのポンプ部分
● コンロ: 黒い画用紙やフェルト、使わなくなったCD-R
● ダイヤル(スイッチ): ペットボトルのキャップ2個
● 装飾: リメイクシート、画用紙、フェルト、シールなど
STEP2:キッチンの土台!頑丈な牛乳パックブロックを作る
この工程がキッチンの強度を左右する最も重要なポイントです。一つひとつ丁寧に、頑丈なブロックを作りましょう。
- 洗って乾かした牛乳パックの上部(注ぎ口側)をハサミで切り開きます。
- 中に新聞紙をくしゃくしゃに丸めて隙間なく、固く詰めていきます。新聞紙の代わりに、開いた牛乳パックをたたんで詰めてもOKです。
- 詰め終わったら、最初に切り開いた蓋を元に戻し、ガムテープで十字にしっかりと固定します。
- このブロックを、設計図に合わせて必要な数だけ作ります。
STEP3:形が見えてくる!土台と天板の組み立て
作成した牛乳パックブロックを、ガムテープで連結してキッチンの本体を組み立てていきます。
- 設計図通りにブロックを並べ、ブロック同士の接する面をガムテープで縦・横・斜めと多方向から固定し、一つの大きな塊にしていきます。この時、ずれたり歪んだりしないよう、床に押し付けながら作業するのがコツです。
- 土台が完成したら、天板を用意します。強度を出すため、ダンボールを2〜3枚重ねて貼り合わせ、土台のサイズより少し大きめにカットします。
- 土台の上に天板を乗せ、ガムテープでしっかりと固定します。
STEP4:キッチンらしく!シンクとコンロの設置
いよいよキッチンに命を吹き込む、シンクやコンロといったパーツを取り付けていきます。
● シンクの取り付け
1. 天板のシンクを取り付けたい位置にボウルを逆さにして置き、油性ペンで円を描きます。
2. 描いた円より5mmほど内側をカッターで慎重に切り抜きます。
3. 切り抜いた穴にボウルをはめ込み、裏側からガムテープで固定します。
● 蛇口の取り付け
1. ポンプボトルなどを置きたい位置に、カッターで十字の切り込みを入れ、そこに差し込んで固定します。
● コンロとダイヤルの設置
1. コンロに見立てる黒い画用紙やCD-Rを両面テープで天板に貼り付けます。
2. ペットボトルのキャップを2つ重ねてテープで固定し、中心にキリなどで穴を開けます。同じように天板にも穴を開け、割りピンで留めると、くるくる回せるダイヤルになります。
STEP5:最後の仕上げ!リメイクシートで装飾
最後に、キッチンの見た目を決定づける装飾を施します。リメイクシートを貼るだけで、牛乳パック感がなくなり、一気に本格的な家具のようになります。
リメイクシートを貼る際は、タオルやヘラのようなもので空気を抜きながら、少しずつ慎重に貼っていくのが綺麗に仕上げるコツです。角の部分はドライヤーで温めながら伸ばすと貼りやすくなります。扉をつけたい場合は、ダンボールで作った扉を本体にガムテープで蝶番のように貼り付けると、開け閉めできるようになります。最後は、お子様と一緒にシールを貼ったり、絵を描いたりして完成させましょう!
もっと素敵に!牛乳パックキッチンを長持ちさせるポイントと注意点
愛情を込めて作ったキッチンだからこそ、少しでも長く、安全に使ってほしいもの。最後に、ワンランク上の仕上がりと安全性を確保するためのポイントと注意点をご紹介します。
【ポイント】強度アップの秘訣は「詰め物」と「連結」にあり
牛乳パックキッチンをできるだけ長持ちさせるには、見えない部分の補強が不可欠です。
ブロック内部に詰める新聞紙は、「これでもか」というくらい固く、隙間なく詰めることが大切です。ブロック同士を連結する際は、ガムテープをケチらずに、縦・横・斜めとあらゆる方向から巻きつけるように固定すると、驚くほど頑丈になります。特に、子どもが体重をかけやすい天板や、キッチンの底面には、ダンボールを二重、三重に貼り合わせて補強しておくと安心感が格段にアップします。
【注意点】水濡れ対策と、子どもの安全への配慮を最優先に
手作りおもちゃで最も大切なのは、子どもの安全です。製作中も完成後も、危険がないか常に気を配りましょう。
牛乳パックやダンボールは紙でできているため、当然ながら水に弱いです。特にシンク周りや天板には、防水性のあるリメイクシートを貼ったり、上から幅広の透明テープ(OPPテープ)を貼ってコーティングしたりしておくと、多少の水濡れにも耐えられ、汚れも拭き取りやすくなります。
また、カッターやハサミを使う作業は、必ず大人が行ってください。ダンボールや牛乳パックの切り口は意外と鋭いので、切り口全てをビニールテープなどで保護(テーピング)するとより安全です。ペットボトルのキャップなど、小さなパーツが取れてしまうと誤飲の危険もあるため、しっかりと固定されているか定期的にチェックしましょう。
愛情たっぷり!世界に一つの手作りキッチンでお子様の最高の笑顔を
今回は、牛乳パックを使ったおままごとキッチンの手作り方法について、メリットから具体的な手順、長く使うためのコツまで詳しくご紹介しました。牛乳パックキッチンの魅力は、低コストで気軽に始められるだけでなく、家の事情に合わせて自由にデザインでき、何より親子で協力して作る時間そのものがかけがえのない思い出になることです。
成功の鍵は、土台となる「頑丈なブロック作り」と、強度と安全に配慮した丁寧な作業です。この記事を参考に、ぜひ世界に一つだけのオリジナルキッチンDIYに挑戦して、お子様の最高の笑顔を引き出してあげてください。
























