トイレに入ったとき、便器の後ろにあるタンクやごちゃごちゃした配管が目に入り、「この生活感をどうにかしたい…」と感じたことはありませんか?ホテルのようなすっきりとしたタンクレストイレは素敵ですが、本格的なリフォームは費用も手間もかかります。
しかし、諦めるのはまだ早いかもしれません。実は、私たちの暮らしに身近な「カラーボックス」を活用することで、DIY初心者でも驚くほど簡単に、憧れのタンクレストイレ風の空間を実現できるのです。
この記事では、トイレタンクを隠すメリットから、カラーボックスを使った具体的なDIYの手順、そしてその他の手軽なアイデアまで、詳しく解説していきます。
なぜやるの?トイレタンクを隠した方が良い3つのメリット
面倒なDIYをしてまで、なぜトイレタンクを隠すのでしょうか?それには、見た目のおしゃれさ以上に、暮らしを快適にする大きなメリットがあるからです。
1. 生活感を消し去り、劇的におしゃれな空間が生まれる
トイレタンクを隠す最大のメリットは、無機質なタンク本体や、壁から伸びる給水管、コード類といった生活感の象徴をまるごと視界から消せることです。
タンクが見えなくなるだけで空間全体が驚くほどすっきりとし、まるでリフォームしたかのような洗練された印象に変わります。カバーの表面に壁紙やリメイクシートを貼って壁と一体化させれば、空間に広がりが生まれ、狭いトイレでも圧迫感が軽減される効果も期待できます。
2. 新たな「収納スペース」を創出できる
収納が限られがちなトイレ空間において、タンクを覆うカバーの上部は、非常に貴重な収納棚として生まれ変わります。
今まで置き場所に困っていたトイレットペーパーのストックや、掃除用のスプレー、サニタリー用品などを、すっきりと収納できるようになります。また、芳香剤やディフューザー、小さな観葉植物、お気に入りの雑貨などを飾るディスプレイスペースとしても活用でき、トイレをより心地よい空間に演出することが可能です。
3. 面倒なタンク周りの掃除が格段に楽になる
トイレタンク本体は意外と凹凸が多く、裏側の壁との隙間や、床に伸びる配管周りはホコリがたまりやすく、掃除がしにくい場所の代表格です。
タンクをフラットな面で覆ってしまうことで、この面倒な掃除から解放されます。日常のお手入れは、タンクカバーの天板をサッと拭くだけで完了。掃除の手間と時間を大幅に削減できるのは、忙しい毎日において大きなメリットと言えるでしょう。
【DIY初心者向け】カラーボックスでトイレタンクを隠す方法
それでは、いよいよカラーボックスを使ったトイレタンク隠しの具体的な手順を見ていきましょう。正しい手順と少しの工夫で、誰でも安全に作業を進められます。
STEP1:念入りな準備と採寸が成功の鍵
DIYの成否は、事前の準備と正確な採寸で8割決まると言っても過言ではありません。
【採寸する場所】
メジャーを用意し、以下の3点を正確に測ります。
- 床からタンクの一番高い部分までの高さ
- 便器の側面から壁までの幅(左右両方)
- 壁からタンクの前面までの奥行き
【用意するもの】
● カラーボックス: 横置きで使うのが一般的です。横置きにした時の高さが、測ったタンクの高さより少し高くなるサイズを選びましょう。
● 天板用の板: ホームセンターで、トイレの横幅に合わせてカットしてもらうと楽です。
● お好みのリメイクシート
● 工具類: ドライバー、ノコギリ(または大きめのカッター)、L字金具など
【カラーボックス選びの最重要ポイント】
タンクの側面にある「洗浄レバー」や、床から伸びる「給水管」に干渉しないサイズや構造のカラーボックスを選ぶことが絶対条件です。棚板が固定されていて動かせないタイプだと加工が難しくなるため、シンプルな構造のものがおすすめです。
STEP2:給水管とレバーを避けるための加工
カラーボックスをタンクにかぶせるため、給水管や洗浄レバーが通る部分をカットしていきます。
- まず、カラーボックスに付属している背板は取り付けずに外しておきます。(すでに取り付けてある場合は外します)
- カラーボックスを横置きにし、実際にトイレに仮置きしてみます。
- 給水管やコンセントコードが当たる部分の棚板に、鉛筆などで印をつけます。
- カラーボックスをトイレから出し、安全な場所で、印をつけた部分をノコギリなどで四角く切り抜きます。怪我のないよう、十分に注意して作業してください。
STEP3:設置と天板の取り付け、そして仕上げ
加工が終わったらいよいよ設置です。天板を取り付け、リメイクシートで美しく仕上げましょう。
- 加工したカラーボックスを、再びトイレのタンクを囲むように設置します。
- その上に、用意しておいた天板を乗せます。
- 天板とカラーボックス、そして天板と壁をL字金具で固定すると安定感が増します。
○ 【賃貸の方向け】 壁にネジ穴を開けられない場合は、強力な両面テープや、家具の固定に使う耐震ジェルマットなどで代用し、原状回復できるようにしましょう。
- カラーボックスと天板の全体に、お好みのリメイクシートを貼って一体感を出します。空気が入らないよう、タオルなどで押さえながらゆっくり貼るのがコツです。
- 洗浄レバーの部分は、操作しやすいように大きく開口部を設けるか、レバーに紐やチェーンを取り付け、天板に開けた小さな穴から通して引っ張れるようにするなどの工夫をします。
【重要】作業を行う上での注意点
● 賃貸物件の場合: DIYは必ず「原状回復」できる範囲で行いましょう。壁に直接ネジを打ったり、接着剤で固定したりするのは避けるのが賢明です。
● メンテナンス性: 万が一のタンクの故障や水漏れの際に、すぐにカバーを取り外せるようにしておくことが重要です。完全に固定しすぎず、点検できる余地を残しておきましょう。
カラーボックス以外も!トイレタンクを隠す「その他のアイデア」
「カラーボックスの加工は少し難しそう…」という方のために、もっと手軽な方法もご紹介します。
【手軽さNo.1】突っ張り棒で「置くだけ天板」
最も簡単で原状回復も楽なのが、突っ張り棒2本と板状のものを組み合わせる方法です。タンクの両脇の壁に突っ張り棒を2本平行に設置し、その上にカフェカーテンをかけたり、プラスチック段ボール(プラダン)にリメイクシートを貼ったものを乗せたりするだけで、簡易的な目隠し兼飾り棚が完成します。
【見た目本格派】すのこや2×4(ツーバイフォー)材でジャストサイズDIY
DIYに少し慣れている方なら、すのこや2×4材を使って、ご自宅のトイレにぴったりのジャストサイズのタンク隠しを作るのもおすすめです。特に、壁や床を傷つけずに柱を立てられるDIYパーツ(ディアウォールやラブリコなど)を使えば、賃貸でも本格的な棚を自由に作ることができます。
【DIY不要】市販のトイレラックを設置する
DIYが苦手な方や、時間をかけたくない場合は、トイレタンクをまたいで設置できるように設計された市販のトイレラック(トイレ収納棚)を活用するのが最も賢い選択です. タンクを隠しつつ、トイレットペーパーなどを大量に収納できる高機能な製品も多く、組み立てるだけで理想の空間が手に入ります。
DIYで叶える、あなただけの理想のトイレ空間
今回は、カラーボックスを中心に、トイレタンクを隠すための様々なDIYアイデアをご紹介しました。
トイレタンクを隠すことは、単に見た目を良くするだけでなく、「収納を増やし」「掃除を楽にする」という、暮らしを豊かにするメリットに満ちています。成功の鍵は、焦らず「正確な採寸」を行い、「洗浄レバーや給水管の処理」をしっかりと考え、そして何より「安全に作業する」ことです。
ぜひこの記事を参考に、あなたに合った方法で、トイレを「ただの場所」から「お気に入りの空間」へと変身させてみてください。
























